《レンダリング工場の実態》
カナダ在住の愛犬家、アン・N・マーチン
「食べさせてはいけない!ペットフードの恐ろしい話」(白楊社・北原憲仁訳)
1995年9月、ボルティモアの「シティ・ペーパー紙」に、ジャーナリストのヴァン・スミスによる「崩壊(メルトダウン)」という記事が掲載されました。そこにはレンダリング工場(訳注=死んだ動物の肉などを攪拌してペットフードの原材料をつくる工場)で起こっていることが書かれています。
ふんだんに写真が添えられたこの記事は、死んだ数多くの犬や猫がレンダリング処理されていることを明らかにしています。スミス氏は、動物園での動物の死骸や「何千という死んだ犬や猫、アライグマ、オポッサム、シカ、キツネ、蛇、そして地域の動物収容施設や轢死動物パトロール隊が毎月処理しなければならないその他の生き物たち」がどのように処理加工されるかについても述べています。
「恐ろしく皮肉な展開だが、死んだペットを含む食用に適さない死んだ動物の体のほとんどは、最後には飼料となり、同じ種類の次の世代を肥らせるためにつかわれるのである。」
さらにマーチン女子は、肉骨粉には収容施設から送られてきた、安楽死させられたペットのたちの死体が入っており、米国で安楽死に使われるペントバルビールと言われる鎮静剤・麻酔剤を致死量に達するまで静脈に注射し、安楽死させている。それが肉骨粉に残留している可能性が高いと指摘。しかもこの薬品は、妊娠動物に使用すると胎児へ移行し、死産・流産を引き起こすことがある。
レンダリング工場とは、牛や豚、やぎ、子牛、羊、家禽(とり)、ウサギが最期を遂げる食肉処理場は、レンダリング工場にもっとも多くの原料を提供しています。屠畜したあと、頭部や足、皮、足指のつめ、毛、羽毛、手根骨や足根骨の関節、乳腺は取り除かれます。これらはレンダリングに回されるのです。
食肉処理場で運ばれる途中で死んでしまった動物たちがレンダリングされます。ガン組織や腫瘍、寄生虫に感染した器官がレンダリングされます。充血部位や血塊、骨の破片あるいはそこに付着したものがレンダリングされます。
汚染された血液がレンダリングされます。胃や腸がレンダリングされます。そして、食品薬品法と環境保護法によって禁止された物質、あるいは法の許容量を超えた物質が含まれる原料、もしくはその物質を処方された原料。言い換えると、死骸に高レベルの薬物や殺虫剤が入っていると、この原料はレンダリングされるのです。
(中略)
レンダリング工場では、食肉処理場からきた原料、レストランやスーパーマーケットが出したゴミ、死んだ家畜、路上轢死動物、安楽死させられたコンパニオン・アニマルが巨大な容器に投げ込まれます。そして機械がこれらごたまぜの原料をゆっくりと砕いていきます。細かく砕いた後、だいたい104℃から132℃の間で20分から1時間加熱処理します。そうすると脂肪や獣脂が上に浮いてくるので、これらを取り出します。この脂肪や獣脂が、ほとんどのペットフードに含まれる動物性脂肪のもとになります。残った原料は、加圧して水分を搾り出します。こうして肉骨粉が手に入るのです。
日本にもレンダリング工場はしっかり存在する。日本共産党徳島委員会の「県議だより」によれば、「犬・猫が肉骨粉に!県当局認める」との見出しで、徳島化製事業協業組合に対する疑惑を指摘している。
「12月13日(2001)の県議会同和・人権・環境特別委員会の質問で、山田豊県議が徳島化製への犬猫処理問題を追求しました。神野保健福祉部長は、徳島市、鳴門市、佐那河内村が徳島化製に犬猫の死骸処理を委託契約していたこと、それが肉骨粉になっていたことを認めました。(中略)徳島市は、1978年から徳島化製に処理委託を開始。昨年度は野犬、野猫、飼犬、飼猫あわせて3493頭の処理を390万円で依頼」
今でも、年に45万4118頭(2003年)もの殺処分が行われている。
その中の何割かは相変わらず肉骨粉に化けているかも知れない。
輸入されるペットフードの多くは、日本に着いてから一度開封され日本市場向けの小袋にリパックされるケースが殆どですが、それは保存性を高めるためといっている会社もありますけど、実はそのままではとても出荷できない状態だから。異物が沢山混入しており、取り除かなければならないのです。異物というのは、ビニールの切れ端だったり、留め金だったり、動物の毛や爪の一部だったりする。つまり、これらが混じるのは生産過程の管理がずさんだからです。
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